約150年前、1872年2月に巨大な太陽嵐が地球を襲い、地球規模のオーロラを引き起こしました。この現象は、ボンベイやハルツームなど赤道近くでも観測されたほどでした。当時、この嵐は海底ケーブルを介した電信通信を数時間にわたって中断させるなど、技術インフラに大きな影響を及ぼしました。最近の研究によれば、このような強力な太陽嵐は過去に考えられていたよりも一般的であることが明らかになりました。
22人の科学者からなる国際チームがこの歴史的な太陽嵐に関する包括的な分析を行いました。彼らは、ベルギーとイタリアの古い記録を含む様々な情報源を使用し、1872年の嵐が太陽円盤の中心近くにある中規模だが複雑な黒点群から発生した可能性が高いことを示しました。これは、中程度の黒点集団でも極端な磁気嵐を引き起こす可能性があることを示唆しています。
現代社会では、電力網、通信システム、航空機、衛星などの技術インフラへの依存度が高まっており、大規模な磁気嵐の影響に対して脆弱になっています。研究者は、このような嵐がもたらすリスクを評価し、理解し、軽減するために、歴史的記録の保存と分析が重要であることを指摘しています。また、2025年の太陽周期25(サイクル25)の極大期に近づくにつれ、今後数年間でオーロラ活動が活発になることが予想されています。最近北海道で観測された低緯度オーロラに続き東京でも観られる日が来るのでは。。。楽しみです。