北海道の夜空に赤いオーロラが出現
2023年12月1日の夜、北海道美幌町をはじめとする地域で、珍しい赤いオーロラが観測されました。この美しい光景は肉眼でも確認できるほど鮮やかで、北の夜空を幻想的に彩りました。このオーロラの出現は、11月29日の午前に太陽の表面で起きたフレア(爆発)が関係していると見られています。太陽から放出されたプラズマが地球に約2日半かけて到達し、地磁気と衝突。これにより磁気嵐が発生し、大気との衝突によって上空での発光現象が引き起こされたのです。一般に緑色のイメージが強いオーロラですが、国立極地研究所の片岡龍峰准教授(宇宙空間物理学)によると、高度約250~400キロの高い部分では赤い色を示すとのこと。北海道のような低緯度の地域からは、この高い部分だけが水平線上に見えるため、赤いオーロラとして観測されたのです。片岡准教授は「北海道でオーロラが肉眼で見えるのは珍しいことであり、磁気嵐の規模が大きくないにも関わらず、これだけ鮮明に見えたことが非常に興味深い」と述べています。
国内でオーロラが観測されるのは稀ですが、2015年には北海道の陸別町や名寄市などで3回観測されています。このような自然現象は、私たちに地球と宇宙の壮大さを思い出させ、日常から一歩離れた感動を与えてくれます。