オーロラが日本でも観測できる?

アマチュア無線家の旅

オーロラと聞くと、多くの人は北極圏や南極圏での幻想的な光のショーを思い浮かべるかもしれません。しかし、最近の研究により、これらの神秘的な光が予想外に低い緯度でも観測されていることが分かってきました。特に注目されているのは、日本の北海道名寄市での低緯度オーロラの観測です。

2001年から2004年の間に名寄市で観測された6つの低緯度オーロラ事象は、色デジタルカメラを用いた分析によって、地磁気緯度39°から50°の範囲に位置していたことが明らかになりました。これらのオーロラは、以前に北海道の他の地域(陸別や茂尻)で高感度光学観測に基づいて報告されていたものと一致していることが示されています。

低緯度オーロラは、大規模な地磁気嵐の間に、通常のオーロラ帯(地磁気緯度±60–70°)よりもかなり低い緯度で観測される現象です。これらのオーロラは、赤色のOI 630.0nm線が支配的なタイプで、遠くの野火を思わせるような赤い色彩が特徴です。この赤い色彩は、低緯度オーロラの視覚的な特徴として、歴史的にも記録されています。

興味深いことに、これらの低緯度オーロラは、過去の目視観測よりも頻繁に発生していることが示唆されています。名寄市での観測では、可視レベルの明るさ(>5 kR at 630.0 nm)に達した事象が含まれていましたが、これらの事象は以前の研究では目撃されていませんでした。

低緯度オーロラの観測は、これらの美しい光の背後にある科学的なメカニズムを理解する上で重要です。地上ベースのイメージング技術は、低緯度オーロラの空間分布を決定するのに有用な方法であり、これらのオーロラを生成する電子の起源についての議論に不可欠な情報を提供します。

名寄市での最近の研究は、商業用カラーデジタルカメラを使用して、科学的な目的のために変更されていない状態でも、低緯度オーロラの形態学的特徴を明らかにすることができることを示しています。ただし、単一のオーロラ画像だけでは、低緯度オーロラのメカニズムについて議論するのに十分ではありません。また、色画像の波長の曖昧さにより、オーロラの微弱な特徴と人工物(例えば、市街地の光)を区別するのが困難です。

今後の観測では、地上ベースのデジタルカメラによるオーロラのネットワーク観測と、衛星を用いた降着粒子の観測が、低緯度オーロラの研究において強力なツールとなることが期待されています。名寄市天文台に設置された新しいカメラシステムは2012年6月から運用されており、北海道北部に設置された他の機器と共に、より詳細で明確な低緯度オーロラの構造を明らかにすることが期待されています。